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ー空調配管とは?仕組み・種類・材料・設計施工の基本ガイドー

2025.10.10

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空調配管とは(定義と役割)

空調配管とは、空調機器で作られた「冷たい/温かいエネルギー」や空気・冷媒を、必要な場所まで安全かつ効率的に運ぶための通り道です。家庭用から業務用まで規模は違っても、配管の目的は「所定の量を、所定の温度と圧力で、損失とリスクを最小化して運ぶ」ことに尽きます。快適性・省エネ・寿命を左右する基幹インフラです。
空調配管の理解を深めるには、まず何を流すか、どんな素材と接続方法を使うか、そして設計・施工で何を確認するかを押さえることが近道です。初心者の方にもわかりやすく順を追って解説します。

冷媒配管と空気搬送の違い

空調の「配管」は大きく、冷媒を循環させる冷媒配管と、空気を運ぶダクトに分かれます。前者は銅管などの配管内で高圧・低圧の冷媒が往復し、熱を屋内外で交換します。後者は矩形や円形のダクトを通じて空気そのものを移動させます。本記事では主に配管(冷媒・水・ドレン)を扱い、ダクトは参考的に触れます。

配管が担う5つの機能(搬送・断熱・防露・保護・排出)

配管は単に「つなぐ」だけではありません。適正な流量を保つ搬送、熱損失を抑える断熱、結露の発生を抑える防露、紫外線や機械的損傷から守る保護、そして不要な水分や汚れを外に逃がす排出まで、複合的な機能を果たします。どれか一つが欠けると、効率低下や漏れ、カビ・異臭などのトラブルに直結します。

主な配管の種類

空調配管には用途ごとに役割の違う系統があり、それぞれ仕様や注意点が異なります。種類を知ることは、図面の読み取りや見積・点検の理解にも役立ちます。

冷媒配管(高圧/低圧)

冷媒配管は室外機と室内機をつなぎ、圧縮機で加圧された高圧側と、膨張後の低圧側でペアを成します。銅管が一般的で、肉厚や外径は容量と距離、機器の指定で決まります。屋外露出部は被覆銅管を使い、日射・雨水から保護します。

ドレン配管(結露水排水)

室内機・コイルで生じる結露水を屋外や排水系に流す管です。詰まりや勾配不良は漏水の典型原因。防虫キャップや点検口を設け、清掃性を確保します。

給排気・新鮮外気配管(ダクトとの関係)

換気・外気導入はダクトで行うのが基本ですが、小規模設備では短距離の配管で接続することもあります。圧力損失や騒音に注意し、屈曲を減らして風量を確保します。

温水・冷水配管(セントラル方式)

ボイラーやチラーで作った温水・冷水を、ファンコイルユニット等へ送る配管です。材質やバルブ、ポンプ能力、バイパス回路など、建物規模に応じた設計が求められます。

材料と継手の基礎

材料選定は、耐圧・耐食・施工性・コストのバランスです。現場環境や将来のメンテ性も考慮し、標準化された部材を用いることで品質の均一化が図れます。

銅管・被覆銅管

冷媒配管の主役。曲げ加工が容易で、熱伝導性が高く、ろう付けやフレア接続に適します。屋外部は発泡ポリエチレンなどの被覆で紫外線や結露から守ります。

ステンレス管・配管支持材

腐食に強く、温水・冷水や薬液環境で選ばれます。吊り金具やインサート、振れ止めなどの支持材は、荷重分散と振動低減に不可欠です。

断熱材・防露材

配管外周に巻く断熱は、熱損失と結露の低減が目的です。厚みは温度差や湿度で決まり、継ぎ目は隙間なくテーピング。屋外は耐候性被覆で仕上げます。

継手(ろう付け・フレア・ワンタッチ)

恒久性と再施工性で選びます。ろう付けは強固ですが技量が必要、フレアはメンテ性が高い反面トルク管理が重要、ワンタッチ継手は省施工ですが適用範囲を確認します。

設計の考え方(圧力損失・勾配・防露)

設計では、配管径・長さ・屈曲数が性能に与える影響を数値で捉える姿勢が重要です。メーカーの許容配管長や高低差、必要な勾配、断熱厚さなどの条件を満たすことで、機器の能力を引き出します。

冷媒配管の配管径とオイルリターン

細すぎると圧力損失が増え、太すぎるとオイルが戻りにくくなります。縦配管では立上がりにサイフォンループを設け、油戻りと液冷媒の偏在を防ぎます。

ドレン勾配と通気

一般に1/100~1/50程度の下り勾配を取り、途中でサイホンやエアロックが起きないよう通気を確保します。長距離は中継ポンプも検討します。

振動・騒音対策と支持間隔

コンプレッサの振動は配管に伝播します。防振ゴムやフレキシブル継手、適切な支持間隔で固有振動数をずらし、建物への伝達を抑制します。

施工と品質管理のポイント

施工品質は初期不良だけでなく長期の安定運転を左右します。現場では「切断→面取り→接続→締付→試験→仕上げ」を標準化し、記録に残すことが肝心です。

フレア加工・ろう付け品質

切断時のバリ取り、偏心のないフレア面、規定トルクでの締付、ろう材の毛細管現象を活かした浸透—いずれも基本ですが、漏れの多くはここで決まります。

真空引き・気密試験

冷媒配管は乾燥と脱気が命。所定時間の真空保持で含水・空気混入を排除し、窒素加圧による気密試験で漏れを確認します。ゲージの降下や泡試験で微小漏れも見逃さない体制を整えます。

漏れ検知・洗浄・乾燥

ハロゲン検知器や電解式リークディテクタで接続部を点検し、必要に応じてフラッシング洗浄。ドレン系はスラッジ付着を想定し、試運転前に通水と排水テストを行います。

メンテナンスとトラブル事例

運用段階でも配管は「放っておけない」設備です。定期点検を通じて小さな兆候を捉え、計画的に手を打つことで、突発停止や大規模な修繕を避けられます。

漏れ・詰まりの兆候

冷媒量の低下、霜付き、異音、油じみは代表的サイン。ドレンの逆勾配や枯葉の混入は排水不良の元です。早期発見には定期巡視と清掃が有効です。

ドレン逆流・悪臭対策

トラップの封水が切れると臭気が逆流します。適正な封水深と補給、臭気止め弁の活用で対策します。長期休止時はドレンパンの乾燥・清掃も重要です。

省エネ運用と配管の関係

断熱の破れや日射で被覆が劣化すると、機器効率が下がります。被覆の補修、配管ルートの短縮、不要な屈曲の削減は、運転費を確実に下げる改善策です。

法規・安全とコスト最適化の考え方

法律・基準の遵守は前提です。安全確保とライフサイクルコストの最小化を両立するには、初期設計から更新・廃棄までを見通した意思決定が欠かせません。

フロン排出抑制法・高圧ガス関連

点検・整備・記録の義務や漏えい対策は必須。冷媒種別の扱い、高圧部の保護、回収・破壊のルールを理解し、帳票管理を徹底します。

防火区画・耐火措置

防火区画の貫通部は、耐火認定品で処理します。配管貫通スリーブと充填材の組合せ、ラベル表示、写真記録は後日の改修でも重要な手掛かりです。

ライフサイクルコストで考える

材料費だけでなく、施工工数、断熱による省エネ、点検性、更新時の再利用性までを総合評価します。トータルで安い選択が、結果的に故障を減らし快適性を高めます。

まとめ:空調配管を理解すれば、工事の「良し悪し」が見える

空調配管とは、見えないところで建物の快適と省エネを支える生命線です。種類・材料・設計・施工・保守・法規を体系的に押さえることで、図面の意味や見積の妥当性、現場品質のチェックポイントが明確になります。これから空調を学ぶ方も、更新や改善を考える方も、まず配管の基本を押さえることが最短ルートです。

萩原工業株式会社は、三重県四日市市で空調設備配管工事を請け負っております。現在、一緒に現場を盛り上げてくれる職人を募集中です。性別・経験は問いません。未経験からでも着実にステップアップできますので、安心してご応募ください。詳しくは求人情報をご覧ください。

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