新着情報

ーアーク溶接とはどのような方法?種類や仕組みについてわかりやすく解説ー

2024.03.22

Pocket

溶接は、金属同士をつなぎ合わせる技術の一つ。

さまざまな種類の方法がありますが、最も溶接現場にて使用される頻度が多いのが「アーク溶接」です。

 

幅広い現場で施工されるアーク溶接ですが、詳しい方法や種類については知らない方も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は、施工のプロがアーク溶接についてわかりやすく説明します。最後まで記事をご確認いただくことで、自分のニーズに合った最適な溶接方法を選択できるでしょう。

 

 アーク溶接とは?

 

アーク溶接とは、さまざまな種類がある溶接方法の一種。数ある溶接方法の中でも、多くの産業分野で幅広く用いられている溶接法です。

 

まずは、アーク溶接の仕組みや種類についてわかりやすく解説します。

 

アーク溶接の仕組み

 

アーク溶接では、気体の放電現象である「アーク放電」を利用します。離れた電極間に電圧をかけると電極間に電流が発生し高温状態となり、強い光が生じます。その光がアークであり、熱源として利用することでアーク溶接が可能です。

 

アークの温度は10,000℃を上回る高温となり、ほぼすべての金属の融解温度より高くなるため、幅広い金属溶接の現場で用いられます。

 

アーク溶接の方法

 

アーク溶接では「溶接棒」に直接電流を流し、電極の先端を母体となる金属に当てることでアーク放電を発生させます。アークにより発生する熱を、溶かした金属と母体に接着させ、つなぎ目を冷やすというのがアーク溶接の方法です。

 

アーク溶接をする際に金属が空気に触れた状態だと、溶けた金属は酸化してしまいます。水泡ができ見栄えが悪くなってしまったり、溶接不良を起こしたりする可能性も少なくありません。

 

そのため、アーク溶接時には「シールドガス」と呼ばれるガスを使用することで、接合部分へ空気が触れさせないようにします。シールドガスは、ヘリウムなどの不活性ガスを使用し、比較的価格が安い炭酸ガスを使用することもあります。

 

アーク溶接の種類

 

アーク溶接は、使用する電極の違いにより2つの種類に分けられます。

 

  • ・溶極式(消耗電極式)溶接:使用する電極自体が溶けて消耗する
  • ・非溶極式(非消耗電極式)溶接:溶接棒を母材となる金属へ溶かし込む

 

さらに、消耗電極式・非消耗電極式のそれぞれにも、使用する電極の素材やシールドガスによって細かく分類されています。さまざまな溶接方法がある中で、実際の作業現場では母材となる金属の種類や作業状況に応じて、適切な溶接方法を選択する必要があるでしょう。

 

次項ではそれぞれの溶接方法について、詳細に解説します。

 

 溶極式(消耗電極式)溶接の代表的な2つの方法

 

ワイヤーと溶接棒を電極として用いて電力を流すことで、電極と金属を溶かし溶接する方法が溶極式溶接です。非溶極式と異なり溶加材を準備する必要はありませんが、電極を交換する必要があるため、連続して使用するには向いていません。

 

溶極式溶接は種類豊富ですが、今回は代表的な2つの方法とそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。

 

1.被覆アーク溶接

 

被覆アーク溶接とは、母材と同材質の金属棒を電極とし、この金属棒と母材との間に形成されるアークを熱源とする溶接法。金属棒に塗布した被覆剤(フラックス)から作られるガスで、溶けた金属を覆って接着します。

 

屋外作業による風の影響などを比較的受けにくいので、現場でも品質の高い溶接が簡単に行えます。メリットとデメリットは以下の通りです。

 

メリット デメリット
屋内・屋外どこでも作業可能 施工に時間がかかる
機械が安価なため手軽に行える 熟練度によって施工の出来に差がある

 

2.MIG溶接

 

空気中で起きるアーク放電を利用した溶接工法の一つ。「Metal Inert Gas」の頭文字から名づけられており、ガスで溶接面を空気から遮断しながら接着します。

 

MIG溶接に似た名前でMAG溶接という工法もありますが、使用するガスがそれぞれ異なります。

  • ・MIG溶接:不活性ガス(主にアルゴンやヘリウム)
  • ・MAG溶接:活性ガス(不活性・炭酸ガスの混合)

 

MIG溶接のメリットとデメリットは以下の通りです。

 

メリット デメリット
溶接スピードが早く仕上がりがキレイ アルゴンガスは高価で施工コストが高い
ステンレスやアルミニウムなどの非鉄金属にも施工可能 ガスを使用するので屋外では風の影響を受けてしまう

 

 非溶極式(非消耗電極式)溶接代表的な2つの方法

 

非溶極式溶接とは、溶加材(溶接棒)を母材となる金属へ溶かし入れる、電極を使用しない溶接方法。溶極式溶接とは異なり電極自体が溶け出すことがないため、ある程度連続して作業が可能です。

 

非溶極式溶接にはさまざまな種類の工法がありますが、今回は代表的な2つの方法とそれぞれのメリット・デメリットについて紹介します。

 

1.TIG溶接

 

TIG溶接とは、不活性ガスを送り込むことで火花を抑えつつ、溶加材を溶かし込みながら行う溶接方法。

 

アークを発生させる電極には消耗しないタングステンを使用し、シールドガスにアルゴンガスなどの不活性ガスを使用します。そのため、別名「不活性ガス溶接」とも呼ばれます。

 

TIG溶接を選択するメリットとデメリットは以下の通りです。

 

メリット デメリット
形状に合った緻密な溶接が可能 ガスを使用するので屋外では風の影響を受けやすい
電力の消耗が少ないため長時間の連続施工が可能 溶接スピードが遅く大量生産には向かない

 

2.プラズマ溶接

 

プラズマ溶接とは、電極と母材の間にプラズマアークを発生させて、溶加材を溶かし込みながら溶接を行う方法。別名「プラズマアーク溶接」と呼ばれることもあります。

 

先述したTIG溶接と同様に、電極にタングステンを使用します。ただし、電極を包むノズルとプラズマガスによって、アークが絞られている点がTIG溶接と異なる特徴です。

 

プラズマ溶接を選択するメリット・デメリットは以下の通りです。

 

メリット デメリット
作業効率が良く、キレイな仕上がり 溶接機は他の物と比較すると高価
電力消耗が少ないため長時間の連続施工が可能 溶接トーチを操作する技術力が求められる

 

まとめ

 

この記事ではアーク溶接の仕組みや、それぞれの溶接法について詳しく説明しました。

 

アーク溶接は、気体の放電現象である「アーク放電」を利用した溶接方法です。

 

アーク溶接には「溶極式(消耗電極式)溶接」と、「非溶極式(非消耗電極式)溶接」の2種類があります。また、用いる電極の素材やシールドガスによって、さらに細かく分類されています。

 

さまざまな溶接方法がある中で、実際の作業を行う現場では母材(金属)の種類や作業時間、作業状況に応じて、適切な溶接方法を選択する必要があるでしょう。

 

溶接加工についてお悩みの際は、ぜひ当社へお気軽にお問い合わせください。

萩原工業株式会社は、三重県四日市市で空調設備配管工事を請け負っております。現在、一緒に現場を盛り上げてくれる職人を募集中です。性別・経験は問いません。未経験からでも着実にステップアップできますので、安心してご応募ください。詳しくは求人情報をご覧ください。

会社名:萩原工業株式会社

住所:〒512-8061 三重県四日市市広永町字蓮池31-1

TEL:059-363-1393 
FAX:059-329-6111

営業時間・定休日:日曜日

萩原工業の求人への
エントリーはこちらから

電話番号

059-363-1393

電話番号で応募
応募フォーム

応募フォーム

メールで応募

About 会社概要

会社概要
会社名
萩原工業株式会社
電話番号
059-363-1393
住所
〒512-8061
三重県四日市市広永町字蓮池31-1
営業時間
8:00~17:00
定休日
日曜日