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ー溶接方法の種類とは?代表的なアーク溶接などについて詳しく解説ー
2024.03.22
配管や整備部品の制作には、必要不可欠な作業である「溶接」。
金属の溶接方法は、「融接(溶融溶接)」「圧接(加圧溶接)」「ろう接」の3つに分けられます。それぞれの方法にメリットやデメリットがあり、特徴を理解することで適切な溶接方法を選定できるでしょう。
この記事では、溶接加工における種類やメリット・デメリットなどの特徴について、わかりやすく説明します。
納得のいく溶接工事が行えるよう、ぜひ最後までご覧ください。
溶接方法の種類は大きく分けて3つ
溶接とは金属同士をつなぎ合わせることで、物作りをする上で欠かせない作業です。溶接加工方法は60種類以上あるといわれていますが、大まかに分けると「融接(溶融溶接)」「圧接(加圧溶接)」「ろう接」の3つに分類されます。
さらに、3つの分類には、それぞれに細分化された溶接方法があります。なぜかというと、溶接する母材そのものの材質や、溶接後の製品に求められる性能などによって、適切な溶接方法を使い分ける必要があるためです。
まずは、3つの溶接方法について詳しく解説します。
1.融接(溶融溶接)
溶接加工の3種類の中でも最もポピュラーな方法であり、金属の溶接と言えば「融接」をイメージする方が多いでしょう。一般的な溶接としてよく用いられる、マスクをつけて火花を散らすような溶接はたいてい融接に当てはまります。
融接には、溶接方法が異なる2種類の方法が存在します。
- 1.母材となる溶接素材の溶接部を加熱して溶かし、冷却することで接合する方法
- 2.溶接部に溶加材を溶かして接合する方法。
融接を金属溶接に採用するメリットとして、サイズが大きい素材や部品でも容易に溶接できることや、耐久性の高さが挙げられます。また、次項で説明する圧接とは異なり、溶接素材同士に機械的な圧力などの負荷もかかりません。
ただし、機械を使用する場合を除くと、融接による溶接は手作業となるため、品質が乱れやすい溶接加工といえます。製品の品質は、長年の技術と経験に大きく左右されるでしょう。
2.圧接(加圧溶接)
母体となる材料の接合部同士を密着させ合い、機械などを用いて圧力により溶接する加工を「圧接」といいます。3種類ある溶接の中では、先ほど説明した融接に続き一般的な溶接が圧接です。
さらに圧接は、母材に一定の力を加え続け変形させる物質の塑性という性質を利用した「摩擦圧接法」や、ガス加熱によって接合する「ガス圧接法」などの種類があります。
圧接は手作業ではなく、機械によって同じ圧力を加えられるため、品質を維持しやすいという特徴があります。また、採用する機械によっては自動化できるものや、無人化できるものもあり、大量生産のラインで用いられることが多いです。
ただし、他の溶接方法と比較すると、接合部分の耐久性が劣るため、高い気密性が求められる溶接現場には向いていません。
3.ろう接
「ろう接」とは、溶接する母材を溶かしたり変形させたりすることなく、母材と母材間にろうと呼ばれる溶加材や合金などをつけて接合する加工方法です。
融点が450℃以上の溶加材を使う方法を「ろう付け(硬ろう付け)」と呼び、融点が450℃未満の溶加材を使う方法を「はんだ付け(軟ろう付け)」と呼びます。
ろう接は、上記で説明した他の溶接方法と異なり、素材自体に直接熱や力がかかりません。そのため、素材を無理に傷つけることなく溶接が可能です。ただし、ろう接は融接と比較すると、耐久性が劣るというデメリットがあります。
強度を必要としない電子回路や電気コネクタなどの精密電子部品や、耐食性・耐熱性が製品の品質を左右する自動車やバイクといった乗り物の部品などに多く用いられます。
溶接加工の方法とは?使用頻度が多い3つの特徴を紹介
ここからは、先ほど説明した溶接加工方法の中でも採用されることが多い、「被覆アーク溶接」「半自動アーク溶接」「TIG溶接」について解説します。今回詳しく紹介する溶接加工は、先ほど紹介した3分類のうち、融接加工に分類される方法です。
各種溶接の特徴を理解すると、製品に合った適切な溶接方法を選択可能となるので、ぜひご確認ください。
被覆アーク溶接
「被覆アーク溶接」とは、消耗電極式(溶極式)アーク溶接法の一種。溶接する素材と、同じ材質の溶接棒を電極として使用し、アークを発生させることで接着させる方法です。
特徴:被覆アーク溶接は融接加工の中でもメジャーな方法。
一般的に職人の手で作業が行われることから「手溶接」や「手棒溶接」と言われることもある。
高品質な溶接には作業者の高い技術が不可欠。
用途:設備を比較的容易に揃えられることから、古くから多くの現場で採用される。
半自動アーク溶接
上記で説明した溶接方法の進化版で、トーチという器具が発する熱で接合部を溶かしながらくっつける方法を「半自動アーク溶接」といいます。通常半自動アーク溶接では、高い耐久性を維持するために「シールドガス」と呼ばれる不活性ガスを使用します。
特徴:トーチからはワイヤーが自動で供給されるため、頻繁な手作業の必要がない。
全てが機械で行われず、溶接作業は人の手で行われるので、半自動と名づけられている。
未経験者でも使用しやすく、比較的作業を素早く行うことが可能。
用途:風でシールドガスが流されてしまうため、屋外の作業には適していない。
TIG溶接
「TIG溶接」とは、トーチ先端にある電極から発生する高温の光を、母材に当てる事で溶かして、金属同士をくっつける溶接方法です。不活性ガス溶接の一種であり、溶接部はガスで覆われているため、まわりに火花を飛ばすことなく安全に溶接できます。
特徴:複雑な形状や小さな部品などの細かい溶接が可能で、仕上がりの美しさも魅力。
TIG溶接の仕上がりは作業者の技術にされやすく、溶接に時間がかかるため、部品の大量生産には向かない。
用途:見た目にこだわる製品を溶接する際に採用されることが多い。
まとめ
この記事では溶接方法の種類や、それぞれのメリットやデメリットなどの特徴について、詳しく説明しました。
溶接加工の方法は、大きく分けて「融接」「圧接」「ろう接」の3つです。さらに、この3つの分類から約60種類の溶接方法に細かく分けられています。
すべてにおいて万能な溶接方法は存在しません。そのため、素材や使用用途などの状況に応じて、的確に溶接方法を使い分けることが重要です。
溶接方法についてお悩みの際は、ぜひ当社へお気軽にお問い合わせください。
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