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配管のフラッシングについて仕組みをわかりやすく解説
2023.05.26
フラッシングは
空調配管のフラッシングという言葉を知っていますか?
一般的には聞き慣れない言葉かもしれません。配管を施工するときに、溶接作業で発生する亜鉛などを除去するための作業をフラッシングといいます。
フラッシングには、配管内部や空調設備、タンクなどにある異物や残留物をきれいに除去する目的があります。また洗浄方法そのものをフラッシングという場合もあります。
フラッシングを行うと、試運転が可能になるため、機器のトラブルを防ぎ、正常な運転ができるようになります。
今回は、空調配管のフラッシングの方法などについてわかりやすく解説します。
フラッシングがどのようなものなのか、また注意したいことについても紹介します。
水によるもの
空調配管のフラッシングには、さまざまなものがありますが、水によるものが一般的に多く用いられます。水をタンクに貯めるなどして、配管を洗浄する方法です。
ここからは、水によるフラッシングについて手順などを紹介します。
方法
空調配管を水によってフラッシングする方法には
・タンクに水を貯め、重力を利用する方法
・消火用水などを配管に接続して行う方法
・仮設ポンプを利用する方法
があります。
空調配管を設置する場所や設備、周辺の状態によって、適切なフラッシングが異なる場合があります。また、注意しなければならないことも異なります。
排出
フラッシングに使った水は、ブラインドフランジから排出するか、配管のフランジから排出しなければなりません。口径の小さい配管では、ドレンバルブを使う場合もあります。
どの方法であっても、水を排出するときに、空調配管や機器に支障が出ないように配慮しなければなりません。また、水が残らないように排出することも大切です。
そのため、水に濡れると影響がある箇所が残っている工事現場では、養生をするなど対策を講じてから、フラッシングに使った水を排出します。
流速
フラッシングを行うときは、実際に稼働するときより、流速を高くすると良い場合が多いです。
フラッシングの流速が弱い場合には、水を送っている場所から圧力を上げたり、空気を送り込んだりして、流速を高くしましょう。
注意したいこと
フラッシングは、水の排出に注意を払う必要がありますが、そのほかにも注意しなければならないことがあります。せっかくフラッシングを行っても、細部への注意が行き渡っていないと、部品の損傷や空調配管の不具合に繋がります。
ここからは、それぞれどのようなことに注意すれば良いのか詳しく紹介します。
フラッシングを行うタイミング
フラッシングを行うときは、タイミングに注意しなければなりません。
フラッシングを行っても、実際に空調配管を稼働するまでに時間があれば、再び洗浄が必要になる場合があるからです。
そのため、フラッシングを行うタイミングから実際に稼働するまでは、あまり期間が開かないように注意しましょう。
どうしてもフラッシングから稼働までに時間が開いてしまうときには、フラッシングの水を排出したあとの乾燥を徹底したり、防錆剤を投入したりするなどの対策を講じると良いでしょう。
・部品の取り外し
フラッシングは部品が残ったまま行わないように注意しましょう。
制御弁や流量計、スプレーノズルなどの精密な部品が残ったままフラッシングしてしまうと、十分な洗浄効果を得られない場合があります。
またフラッシングによって、部品が傷んで空調配管が機能しなくなる場合もあります。
これらを防ぐため、フラッシングを行うときには、部品を取り外し、代わりに単管を入れて行うようにしましょう。
・ドラムや熱交換器
フラッシングを行うときに、塔や槽などの機器がある場合には、まずこれらの機器の入口までをフラッシングします。このとき、入口に仕切板を入れ、異物を機器に入れないように注意しましょう。
また、水を貯めてフラッシングを行うときには、機器から水を排出するときに負荷がかかり、この負荷が塔や槽などの機器の損傷を招く場合があります。
そのため、これらのベントは、フラッシングの前に開けておくようにしましょう。
・凍結
フラッシングは、使った水の凍結にも注意が必要です。
特に寒い時期に行わなければならないフラッシングでは、空調配管そのものやドレンなどの凍結に注意しましょう。細い空調配管の場合、フラッシングで残った水が凍結すると、そのまま設備の不具合の原因になることがあります。
凍結のおそれがあっても時期をずらすことができない場合には、エアブローなどをフラッシングの代わりに行う方法もあります。費用が異なってきますから、計画的にフラッシングするようにしましょう。
水はすべて排出する
フラッシングを行ったとき機器や空調配管に残った水は、すべて確実に排出するように注意しましょう。水が残ったままになると、空調配管や部品の腐食に繋がり、フラッシングをしたこと自体が不具合の原因になってしまいます。
しかし、空調配管では、フラッシングで使った水をすべて抜くことは難しい場合があります。このようなときには、空気によるパージや、窒素ガスによる乾燥が必要になります。
終了は
フラッシングをどの段階で終了するかは、目視によって判断されます。
排出される水を目視し、透明度などから判断するため、個人差が起こりやすいです。
しかし、フラッシングの終了の判断には、定量的判断が必要であることはいうまでもありません。終了の判断の個人差をなくすために、排水された水をビーカーに取り、異物が残っていないかを確認する方法があります。
また網に排水された水を流し、網に異物が残らなくなっているかを確認します。
まとめ
今回は、空調配管のフラッシングについて紹介しました。
一般的には聞き慣れない言葉や作業ではないでしょうか。
フラッシングには、徹底した洗浄を行うことにより、空調配管の内部に残った異物などを除去する目的があります。水を使って行われる場合が多く、水の排出に十分な注意が必要です。
水が残ったままだと、空調配管そのものや細部の部品などの損傷や不具合の原因になるためです。
フラッシングを行うときには、時期や設置する場所、周辺の状態に注意し、水に濡れると不具合が起きる場所では、養生などの配慮をしましょう。
またフラッシングには、さまざまな方法があります。適した方法でフラッシングを行い、整った空調配管を稼働できるようにしましょう。
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