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ー空調配管の種類を完全ガイド|用途別・材料別・接続方式までやさしく解説ー
2025.10.17
空調配管の種類とは(まず押さえる全体像)
空調配管の「種類」は、何を流すか(冷媒・温水/冷水・空気・ドレン)、どこで使うか(住宅/店舗/オフィス/工場)、何で作るか(銅・ステンレス・塩ビ・樹脂)、どうつなぐか(ろう付け・フレア・溶接・ワンタッチ)で整理できます。複雑に見えますが、流体の温度・圧力・腐食性と、施工性やメンテ性、安全基準の観点で選べば迷いません。この記事では初心者にもわかるように、用途別→材料別→接続方式の順で丁寧に解説します。
用途別の大きな分類
・冷媒配管(室外機と室内機をつなぐ高圧/低圧のペア)
・温水/冷水配管(ボイラーやチラーと端末機を結ぶ)
・ドレン配管(結露水や洗浄水の排出)
・外気/排気の短距離接続(小規模機での補助的な配管)
選定の基本指標
最大圧力、設計温度、許容配管長と高低差、必要流量、設置環境(屋外/屋内/腐食雰囲気)、点検性、将来の更新容易性、そして法規・メーカー仕様の順でチェックします。
冷媒配管の種類(高圧・低圧・特殊ルート)
冷媒配管は空調設備の心臓部です。一般に被覆銅管を用い、高圧ガス側(液管)と低圧ガス側(ガス管)で外径と肉厚が異なります。熱負荷や配管長でサイズが決まり、分岐や立上がりでは油戻りと圧力損失に注意します。ここから先の小セクションでは、設計・施工時に迷いやすいバリエーションを整理します。
シンプル配管(個別ルート)
ルームエアコンや小型パッケージで採用。室外機1台と室内機1台を最短距離で結ぶため、圧損が小さくトラブルが少ないのが特長です。
マルチ型・分岐配管
1台の室外機に複数室内機を接続。メーカー純正の分岐管を指定方向で組み、水平・勾配・枝長のバランスで冷媒分配を最適化します。点検口の確保が必須です。
長尺・高低差配管
高層・大規模施設で生じるケース。許容配管長/高低差の範囲でサイズアップ、サイフォンループやリキッドラインアキュムレータを検討し、油戻りを確保します。
温水・冷水配管の種類(中央熱源方式)
セントラル空調では、チラーの冷水やボイラーの温水をファンコイルやエアハンへ送ります。管材は温度・圧力・水質で選定し、保温厚と防露処理が性能を左右します。続く小セクションで材質ごとの適用範囲と注意点を見ていきます。
配管材:炭素鋼管/ステンレス/架橋ポリエチレン
・炭素鋼管:耐圧・耐熱に優れ大規模に適合。溶接が主で防食対策が必須。
・ステンレス管:腐食に強く病院・食品系で採用。価格は高めだが長寿命。
・架橋ポリエチレン(PE-X):軽量で施工が速い。温度/圧力の範囲内で中小規模に有効。
回路構成:一次ポンプ/二次ポンプ・バイパス
一次二次分離で流量制御性を高め、ΔT維持と省エネに寄与。バイパスやバランス弁で末端の流量確保と騒音抑制を図ります。
ドレン配管の種類(排水方式と材料)
ドレンは軽視されがちですが、漏水・カビ・臭気の多くはここが起点です。勾配・通気・断熱が要で、材料と方式の選択が信頼性を左右します。小セクションで、現場頻出の選択肢を比較します。
重力排水とポンプ排水
・重力排水:1/100〜1/50の勾配で自然流下。シンプルで故障が少ない。
・ドレンポンプ:勾配が取れない場合に採用。逆止弁と点検スペース、電源管理が必要。
配管材:塩ビ(VP/VU)/保温ドレンホース
屋内はVU、屋外や強度が必要な箇所はVPを選定。直射日光や高温部は劣化対策として被覆や金属管への切替も検討します。
材料別の種類(銅・ステンレス・鋼・樹脂・複合)
管材は「圧力/温度/腐食×施工性×コスト」で最適解が変わります。ここでは代表的な選択肢の適用範囲と長短を俯瞰します。判断に迷うときは、機器メーカーの指定と施工環境のリスクを優先しましょう。
銅管(冷媒の定番)
熱伝導に優れ、曲げやすく、ろう付け・フレアに対応。屋外は被覆で紫外線/腐食を抑制します。高圧冷媒や長尺では肉厚/径の選定が重要です。
ステンレス/炭素鋼(温水・冷水の主力)
溶接継手で高い信頼性。ステンレスは腐食源が多い現場で有利、炭素鋼はコスト効率に優れます。内面防食や水処理で長寿命化します。
樹脂管(PE-X・PB・ポリプロピレン)
軽量で錆びず、曲げ配管が容易。温度圧力の範囲内で戸建や小規模オフィスに好適。金属継手部の熱伸縮とシール管理が肝要です。
接続方式の種類(ろう付け・フレア・溶接・ワンタッチ)
接続は漏れのリスク集中点です。施工者の得手不得手ではなく、流体条件と保守方針で選ぶのが基本。次の小セクションで工事品質への影響点を押さえます。
ろう付け/溶接(恒久性重視)
銅は銀ろう、鋼はアーク/ガス溶接が中心。強度と気密に優れる一方、技量と火気管理が必要。防火区画は耐火措置を徹底します。
フレア/ワンタッチ(メンテ性重視)
規定トルクでの締付が命。再施工や機器交換時に有利ですが、振動や熱伸縮に配慮し支持金具を増やすと安定します。
用途別に見る「最適な種類」の選び方
最後に、現場で役立つ具体的な選定ガイドを示します。迷ったら「安全>性能>施工性>コスト」の順で考えると、大きな失敗を避けられます。ここからの小セクションでは、住宅・店舗・オフィス/工場の3パターンを比較し、典型解を提示します。
住宅・小規模店舗
・冷媒:被覆銅管のシンプル配管。曲がりを減らし化粧カバーで保護。
・ドレン:重力排水を基本。断熱と点検口で清掃性を確保。
・水配管:PE-XやPBで省施工。熱源はエコキュート/小型ボイラー等。
オフィス・商業施設
・冷媒:マルチ分岐。点検性重視で分岐部を天井点検口近傍に集約。
・水配管:炭素鋼/ステンレスで中央熱源。二次ポンプとVAV/FCUでゾーニング。
・ドレン:長距離は通気と中継、臭気逆流と結露を重点管理。
コストとライフサイクルの考え方(種類の賢い組み合わせ)
初期費だけでなく、断熱劣化や漏れ修繕、止水・復旧の手間まで含めた総コストで考えると、管材や接続方式の「適材適所」が見えてきます。最後の小セクションでは、見積比較や仕様書作成で役立つ観点を箇条書きでまとめます。
見積・仕様で確認すべきチェックポイント
・管材のメーカー/規格、肉厚、被覆と断熱厚
・接続方式(ろう付け/溶接/フレア/ワンタッチ)の指定
・許容配管長・高低差、分岐方式、支持間隔
・ドレンの勾配・通気・断熱、ポンプの有無
・防火区画の貫通処理、写真とラベルの提出
・試験(窒素加圧・真空保持)と報告書の様式
まとめ:種類を理解すれば設計も見積も工事監理も強くなる
空調配管の種類は多様ですが、用途(冷媒・水・ドレン)、材料(銅・鋼・ステンレス・樹脂)、接続方式(ろう付け・溶接・フレア・ワンタッチ)の三軸で整理すれば、最適解にたどり着けます。現場では「圧力と温度」「勾配と通気」「断熱と耐候」「点検性と防火」を外さないこと。これらを満たす種類選定こそが、快適性と省エネ、そして長寿命を実現する近道です。
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